ヒット商品番付とキャッチコピー
2009年が早くも折り返し地点を過ぎました。そして6/17に、
日経MJから「2009年上半期ヒット商品番付」が発表になりました。
東 西
横綱 インサイト&プリウス ファストファッション
大関 990円ジーンズ 下取りセール
関脇 キリン フリー 節約弁当
小結 オバマ大統領 侍ジャパン
前頭 1Q84 蒸気レスIH炊飯器
(以下略)
番付上位の多くは「未曾有の大不況」の中でますます固くなる
消費者の財布の紐を解かせるための、企業の涙ぐましい努力
が生んだ商品たちという印象です。上位の商品がどういう売られ
方をしたのか、興味深かったので各商品のキャッチコピーを調
べてみました。
インサイト(ホンダ)=「みんなに乗って欲しい、189万円」
・・・ホントにど真ん中のストレートと言う感じですね。
この価格訴求が功を奏してバカ売れしました。
プリウス(トヨタ)=「スーパー・ハイブリッド・カー」
・・・ヒネリがないね。価格がスーパーで買うみたいに
安いから?というわけではなさそうですが、インサ
イトの価格に対向して大幅値下げした結果、大
ヒットしています。
ファストファッション(西友など)=「KY:価格、安く」
・・・これも価格訴求。ダジャレは疑問ですが不覚にも
笑ってしまいました。
990円ジーンズ(g.u.)=「ケタ違いを、はく」
・・・まさに1ケタ違いの値段。良品安価のニーズは
どこまで行くのか?
キリン フリー(キリンビール)=「アルコール0.00%で
飲酒運転のない社会を目指して」
・・・価格訴求じゃないけれど、製品の特徴そのままの
コピー。わざわざ小数点以下2位まで言うのが自信の
表れです。
価格が安いことをストレートに訴えるコピー、商品の特性をその
まま表したコピー。上位のヒット商品のコピーに、なんの工夫も
遊びも感じられない。広告表現としてつまらなくないですか?
もしコピーライターが関わっているなら、ボツになったコピーの
ほうに興味がありますね。
そんな中、コピーライターの大御所で、私が好きだった「でっかい
どぉ、北海道。(ANA)」「飲むときは、ただの人。(サントリー)」など
のコピーを書いた、真木準さんが、先日亡くなりました。
ダジャレで遊ぶ、裏の意味を読む、韻を踏む、間を楽しむ・・・
そんなプラスアルファの楽しみ方ができた広告の言葉が、真木準
さんと一緒に姿を消してしまいました。
コピーで商品が輝いて見えた時代は遠い昔になってしまったの
かも知れません。
投稿者 prism : 12:34 | コメント (0) | トラックバック (0)
近頃の若い奴らは・・・

投稿者 prism : 19:01 | コメント (0) | トラックバック (0)
イシュー・コミュニケーション
イシュー・コミュニケーション(イシュー・ブランディング)というのは、自社の商品や
サービスが解決しうるニーズや問題(イシュー)をまず世間に提起し、商品や企業
活動のブランディングにつなげていくというPR戦略です。
新たなイシューを社会に投げかけ、あるべき姿と現状の事実のギャップに気付か
せて、その商品・サービスが解決できる問題を浮き彫りにし、世の中に啓発するこ
とで、消費者がそれを「買う理由」を作っていく。商品自体を売り込むよりも、結果と
して企業の認知度や売上アップを図っていく。これがイシュー・コミュニケーション
の目的です。
大手メーカーが「お腹の周りが○○センチを超えたらメタボ予備軍です」と宣伝して
運動器具や健康食品を販売したり、「古い機種を使い続けるより省エネ型の新製品
に買い換えるほうがエコロジーです」と訴えて、自動車や家電の買い替えを推奨し
ていますが、これらも、イシュー・コミュニケーションのひとつといえるわけですね。
中小企業の中にも、こうしたイシュー・コミュニケーションをPR活動に生かしている
例があります。
福井県・若狭の塗り箸メーカー「兵左衛門」。同社は、私たちが日ごろ何気なく使っ
ている「お箸」に関する意外な問題点を、様々な切り口から提起して、啓蒙活動や
話題づくりにつなげています。
まず、100%自然素材の漆を塗った上質な箸を製造している同社は、「お箸は食べ
物である」という観点から、有害な化学塗料が使われた箸の危険性を指摘し、健康
な生活のために、口に入れても安全な箸を選択する必要性を訴えています。
続いて、「日本人の7割が箸をうまく持てない」ということに着目し、「お箸を上手く使
うことは手を器用に動かすことであり、脳の発達にも影響する」として、全国の幼稚
園や小学校などで「お箸の知育教室」を開催しています。この「箸育」の取り組みは、
今話題となっている「マイ箸運動」にもつながっています。
さらに、プロ野球選手などが使って折れた木製バットを回収し、箸として再生するこ
とで省資源化をはかると同時に、売上の一部をバットの原料となるアオダモの植樹
に寄付するという環境への取り組みを行っています。
「口に入れる箸の先が化学物質でいいのか」「日本人はなぜ箸をうまく使えなくては
ならないのか」「折れたバットを捨てるのは資源の無駄使いではないのか」・・・健康・
文化・環境など、日本人が関心を持つ事象にフォーカスを当て、自社の商品と関連
付けた問題を提起する。そして、その問題の解決に、自社がどう取り組んでいるか
ということを積極的に情報発信しています。
そして、これらの取り組みは様々なメディアで何度も取り上げられ、同社のブランド
力アップと商品の販売促進につながっているのです。
私が思うに、兵左衛門さんの商品や取り組みそのものよりも、優れているのはテーマ
設定のうまさというか、社会的な関心を集める問題点を見つけ出す、感性の鋭さだと
思います。こうした取り組みがなければ、同社も単なる伝統工芸品メーカーにとどま
っていたかも知れません。同社はイシュー・コミュニケーションによって、福井県の一
地方企業から全国ブランド、世界ブランドへと飛躍しようとしているわけです。
イシュー・コミュニケーションは、問題提起⇒情報発信⇒報道⇒認識⇒納得・共感⇒
意識・行動の変化、という流れです。社会に対して問題を投げかけ、消費者の意識を
変え、購買に向かわせる。
このようなマーケティング戦略は、地方の中小企業でも十分展開できると思います。
投稿者 prism : 22:18 | コメント (0) | トラックバック (0)